M&Aを成功に導くための秘訣

こんにちは。経営承継支援のブログ担当チームです。

M&Aを成功させるには「規模への慎重さ」「適正な買収価格の見極め」「統合後のコミュニケーション」の3点が重要です。
PMIやシナジー効果・株価算定など専門用語を正しく理解し、買収前から統合計画を策定することが成否を分けます。
売り手・買い手双方が目的を明確にし、M&A専門家を活用することで適正評価と円滑な統合を実現できます。

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M&Aを成功に導くための秘訣

M&Aを成功に導くうえで、いくつかの重要な専門用語と手法を正しく理解しておくことが不可欠です。

まず「PMI(Post Merger Integration)」とは、M&A成立後に行う統合プロセスのことを指します。経営・業務・IT系システム・人事制度など多岐にわたる領域を一本化する作業であり、PMIが遅れるほど統合効果が薄れ、従業員の離職や顧客の流出といったリスクが高まります。M&A成立前から統合計画を策定しておくことが成功への近道です。

次に「シナジー効果」とは、2社が統合することで単独では得られなかった相乗効果を生み出すことです。たとえば、一方の会社が持つ販売網にもう一方の会社の製品を乗せることで売上拡大を図る「売上シナジー」や、重複するコストを削減する「コストシナジー」などがあります。M&Aの目的をシナジーの観点から明確にしておくと、買収価格の妥当性判断にも役立ちます。

また「株価算定(企業価値評価)」も成功の鍵を握る重要なプロセスです。主な手法としては、純資産を基準とする「コストアプローチ」、類似上場企業と比較する「マーケットアプローチ」、将来キャッシュフローを現在価値に割り引く「インカムアプローチ(DCF法)」の3種類があります。中小企業のM&Aでは複数の手法を組み合わせて総合的に判断することが一般的であり、専門家への依頼が適正評価につながります。

さらに、売り手側にとっての成功秘訣として「譲渡先の選定基準を明確にすること」が挙げられます。単に高い価格を提示した買い手を選ぶのではなく、従業員の雇用継続・企業文化の継承・事業発展への意欲なども重視することが、長期的な成功につながります。M&Aはクロージング(取引完了)がゴールではなく、その後の成長こそが真の目的であることを双方が認識することが、M&A成功の本質と言えるでしょう。

M&Aによる買収は買い手と売り手双方にメリットをもたらします。買い手は時間を浪費することなく、経営規模の拡大及び経営基盤の強化を図ることができます。売り手にとっては、後継者問題を解決するための1つの選択肢になります。

しかし、M&Aによる企業間の統合は、いくつかの点で注意しておかなければ上手くいかないこともあります。せっかく統合するのですから、シナジーを発揮してさらなる経営状況の改善に貢献することが大切です。では、M&A成功の秘訣にはどのようなことがあるのでしょうか。
 

 

規模の大きい会社を買収するときは注意

M&Aを成功させるための秘訣の1つには「規模の大きい会社の買収ほど慎重に行うこと」です。
当然のことながら、規模の大きい会社ほどM&Aによる取得価格が高くなるため、それだけの費用対効果が見込めなければなりません。そのため、M&Aを成功させるには買収する企業のどこに魅力を感じているかを明確にすることが大切です。

たとえば、規模の大きい会社を買収するにあたって、その会社の売上高が魅力なのか、各地域にある支店や倉庫などの設備を取得するためなのか、人材やノウハウの獲得なのかなどをよく検討する必要があります。売上高のような数字ではないメリットも存在しますので、買収にあたっては買収先の企業の魅力が関係者にわかるような資料作成も重要です。

また、規模が大きい会社であればあるほど、統合後のPMIも難しくなることは忘れてはいけません。統合するにあたっては、経理から営業まですべてのシステムをお互いの会社で使える状態にする必要があります。いつまでも別個に使っていたのでは作業効率が良くありません。規模の大きい会社と統合する場合はスケールメリットを得られるので、それを最大限生かすためにもできる限り早期にPMIを実行することが重要です。しかし、規模の大きい会社との統合ほどPMIによる統合作業は細かくなります。そのため、統合前から統合後までトータルで考えて自社にとってメリットがあるかどうか検討することが成功の秘訣です。

 

 

買収金額には要注意

M&Aで企業を買収する際に問題になるのが譲渡価格です。M&Aによる企業の譲渡価格には値札がついていません。そのため、適正な値段を算出することが難しいです。当然のことながら、高値で買ってしまうと必要コストが増加します。買収メリットが薄れてしまうことがあるため、高い価格で買収しないことも成功の秘訣と言えます。

適正価格を見極めることは難しいですが、買収価格を算出するうえで大切なことは「買収する企業が将来的にどれぐらいの価値を生むか」を見極めることです。現時点では売上が好調な企業であっても、時代の変化とともに将来的に売り上げが減少するリスクがあります。買収側にとって大切なのは昨年度の利益ではなく買収後の利益です。長期的な視点から、対象対象企業がどれぐらいの利益を生むかを基に買収金額を検討します。

たとえば、買収対象企業の事業計画書を参考にするのも一つの方法です。仮に相手の買収希望金額が5億円である場合、事業計画を参考にして本当にそれだけの利益を生む体制が整っているかどうか判断します。ただし、その事業計画書の数字が正しいかどうかは別問題です。あくまで事業計画書は参考程度に捉えておいて、最後は買い手側で確認してから決断することになります。また、できるだけ適正な買収金額を知りたい場合は、M&Aの専門会社に買収金額の算定を依頼すると良いです。豊富なM&A経験を持つ専門家に依頼することで、これまでの知識から適正な値を算出するたけでなく、状況に応じたアドバイスをもらうことができます。

以下の表では、M&Aにおける企業価値評価(株価算定)の主な手法を、それぞれの概要・メリット・デメリット・適用場面の観点からまとめています。

手法 概要 メリット デメリット 主な適用場面
コストアプローチ(純資産法) 貸借対照表の純資産をベースに評価 シンプルでわかりやすい 将来収益性が反映されない 資産保有型企業・清算時
マーケットアプローチ(類似会社比較法) 類似上場企業の株価倍率を参考に評価 市場実態を反映しやすい 非上場企業との比較が難しい 同業他社が上場している場合
インカムアプローチ(DCF法) 将来キャッシュフローを現在価値に割引いて評価 将来収益性を反映できる 前提条件次第で結果が大きく変わる 成長企業・事業計画が明確な場合
年買法(中小企業向け) 純資産+営業利益×数年分で算出 中小企業に適用しやすい 根拠が主観的になりやすい 中小企業のM&A交渉

評価手法によって算出される金額は大きく異なるため、対象企業の特性や取引の目的に合わせて適切な手法を選択すること、また複数の手法を組み合わせて多角的に検証することが、買収金額の妥当性を判断する上で重要です。

 

 

買収対象企業の社員とのコミュニケーションも大事

M&Aによる買収を成功させるための秘訣の3つ目は「買収対象企業の社員とコミュニケーションをしっかりとること」です。買収対象企業の規模に関わらず、買収した側の従業員が上の立場に立って物事を進めてしまいがちですが、このような形ではスムーズな事業承継は完了しません。売却した企業の社員と同じ目線で1つの会社を盛り上げていくという気概が社員同士になければチームワークがバラバラになってしまい、統合した意味がなくなってしまうでしょう。そのような事態を起こさないためにも、役職が上の立場の人間ほど売却側企業の社員と積極的にコミュニケーションをとることが求められます。M&Aによる買収で、これまでよりも効率良い事業を行うためにも実践してみてはいかがでしょうか。

企業理念や社風が似ている企業同士でM&Aを行うのが良いです。
企業理念や社風が似ている企業同士であれば、売却した企業の社員も従来とあまり変わらずに仕事をすることができます。買収対象企業の社員というものは、何かしら不安を抱えているものです。彼らの能力を最大限に生かすためにも、積極的なコミュニケーションを図ることが必要です。
ここまで述べてきたように、M&Aの成功の秘訣は「規模の大きい会社の買収ほど慎重に行う」「買収金額には根拠を持つ」「買収先の社員とコミュニケーションをしっかりとる」ことです。費用対効果にあったM&Aを実現するためにも参考にしてください。

 

 

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