【製造業M&A】特許に強い弁理士との連携により成功した中小機械メーカー

こんにちは。経営承継支援のブログ担当チームです。

製造業M&Aでは特許・技術力の評価が企業価値を左右するため、弁理士との連携は有効な手法となります。
弁理士による特許データベース活用で、通常手法では見つからない技術シナジー先の発掘が可能です。
知的財産を軸にした候補先探索は、特殊技術を持つ中小メーカーのM&A成功率を高める重要なアプローチです。

目次 [ ]

特許に強い弁理士との連携により成功した中小機械メーカー

製造業の特許に詳しい弁理士との連携によりマッチングが成功した事例です。

譲渡企業は、大阪にあるロールカッターやスリッターという工業用の資材の巻き取りや裁断をする機械の専門メーカーでした。

30年前に大手企業から独立し5名で立ち上げた企業で、創業メンバーである役員間ではメンバー誰かの親族に事業を継がせるという思いは全くありませんでした。

そして役員が皆60歳を超える年齢となり後継者問題が顕在化したため、M&Aによる譲渡を決意されました。

経営承継支援はすぐに買い手候補先探索に着手し、別地域で展開する同業他社や同種の機械を扱う卸業者から周辺機械の製造業へと提案を重ねました。

しかし、生産量が限られ、特殊な機械製品のため、商社のロットにマッチせず、具体的な候補先は現れずに半年が経とうとしていました。

売り手企業は技術力のある企業ではありましたが、カットする技術を理解するのは、同業かその周辺事業に限られており、なかなか理想的な候補先が現れませんでした。

そこで新たな角度から候補先を探索するために当社の士業ネットワークの中から当該技術に関する知見がある弁理士とマッチング会議を開催しました。
 
■製造業M&Aにおける弁理士の役割とは
弁理士とは、特許・実用新案・意匠・商標などの知的財産権に関する専門家で、国家資格を持つ知的財産の「番人」です。製造業のM&Aでは、譲渡企業が保有する特許技術や独自の製造ノウハウが企業価値の中核を成すケースが多く、こうした知的財産を正確に評価・活用するうえで弁理士の専門知識は欠かせません。

一般的なM&A仲介では、財務・法務デューデリジェンスが中心となりますが、製造業においては技術的なデューデリジェンスも同様に重要です。特許の有効性・権利範囲・競合他社との差別化ポイントを精査することで、買い手企業にとっての技術的価値を明確に伝えることができます。

■特許情報を活用したマッチング手法
本事例のように、弁理士と連携して関連技術の特許データベースを活用することで、通常の業界リストや財務情報だけでは見えてこない「技術シナジーを持つ潜在的買い手候補」を発掘できます。具体的には、類似技術を保有する企業・周辺特許を出願している企業・同一IPC(国際特許分類)に属する企業群などを候補としてリストアップする手法です。

このアプローチは、特に以下のような場合に有効です。①同業他社が少なく通常の業界アプローチが限定される場合、②技術力・製品の独自性が企業価値の主体である場合、③買い手に技術理解を求める必要がある場合。

製造業M&Aでは、財務数値だけでなく「技術の価値をどう伝えるか」が成否を左右します。専門家との連携により、最適なマッチングの可能性を広げることが重要です。

以下の表は、一般的なM&Aアドバイザー単独による支援と、弁理士と連携したM&A支援の違いを主要な観点から整理したものです。

比較項目 一般的なM&Aアドバイザー単独 弁理士と連携したM&A支援
候補先探索の切り口 業界・財務・地域 業界・財務・地域+特許技術シナジー
技術価値の評価 限定的(定性的説明のみ) 特許・知財の権利範囲まで精査可能
適したケース 汎用的な事業・サービス業 製造業・技術開発型企業
マッチング精度 標準的 技術面でのシナジーを加味した高精度
専門家連携コスト 低い やや高いが成約率向上に寄与

製造業や技術開発型企業のM&Aにおいては、財務・事業面の評価だけでなく特許・知財の視点を加えることで、より精度の高いマッチングと成約につながりやすくなります。

 

弁理士とのマッチング会議を実施。隣県の買い手候補先がみつかる

この会議を持つことで関連技術の特許を持つ企業群から技術面でシナジーを発揮できそうな企業をピックアップすることができM&Aの提案を新たな候補先へ展開することが可能となりました。

早速、およそ30社の新たな候補先企業へ提案を進めたところ、和歌山県にある企業が興味を示してきました。

この企業は一部門でカッター等に似た機械を販売しておりましたが、これまで譲渡企業のような独自のオリジナル製品を手掛けることはありませんでした。

このため、本件M&Aの提案は同分野を大きく展開するためにはとても魅力的な提案とのことで、その後の提携交渉はとてもスムースに進み、最初の提案からおよそ4ヵ月で本件は成就し売り手・買い手ともに感謝されるM&Aとなりました。

一般的に製造業のM&Aは専門的な技術の理解が必要なことからマッチングは難しいと言われています。

経営承継支援では専門的な知見を持つ弁理士等多くの専門家と協力しながら最適な相手先を探すことができますので、一度、ご相談ください。

株式会社経営承継支援は、一社でも多くの企業を廃業危機から救うため、全ての企業様のご相談をお受け致しております。
M&A(株式譲渡、事業譲渡等)に関して着手金無料でご相談可能ですので、お気軽にお問合せくださいませ。

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